南風原の二世帯住宅兼事務所
2023.07
敷地内高低差が3m近くある土地に建つ二世帯住宅兼事務所。
お子さんが多い世帯で、将来敷地内に2棟ほど子供達のために建物が建てられるように今回計画の建物はシンプルな形に2世帯の住居と事務所を収めて、敷地内に余白を残す配置・建物計画とした。
また高齢な親世帯とも隣り合わせで同居できるように玄関を分けたワンルームに近い形の1世帯用の住居スペースも備えている。
その親世帯がいずれ入れ替わることも想定し、親世帯のスペースと子世帯のスペースを繋げられるように一部コンクリートの床を開けているので、将来どのような家族の在り方にでも対応できるような計画としている。
施主が左官業を営んでいるため、室内の仕上げや事務所の壁の随所に素材や質感を変えた仕上げを施主自らが施して思い入れのある仕上げとなっている。
建物の外観にも左官技術や施主の遊び心を表現できるように、コンクリート造の柱と梁でフレームを造り、壁の面や各フレームによって色や質感を変えられるようにした。
子世帯は大家族が集まるスペースをつくり、家族の気配が感じられる間取りとしている。
各部屋のカラーやポイントカラーはご家族それぞれの理想の色を伺い、全体としてまとまる配色となるように計画している。
親世帯はコンパクトに収まる平面計画とし、掃除やメンテナンスが行い易いようにしている。中庭越しに子世帯の気配が感じられる程よい距離感を確保している。
左官や一部仕上げで施主が手を加え、カラーはそれぞれのお子さんが選び、一部家具はお父様が製作し、庭は親族の方が施工されており、色々な方の手が加わった愛着のある建物となりました。
撮影:井田 佳明