THE VILLA Okinawa
2023.07
敷地は沖縄南部に位置する南城市の海から直線距離で約200m離れた崖地である。
『魅せる・集う・楽しむ』という要素に特化したエンターテインメント性の高い建物としたいとの要望から、プール・ジャグジー・ベンチ・サウナ ・太鼓梁・特注シャンデリア・アンティーク家具と利用者が楽しめる要素を随所に散りばめた。
建物のメインフロアとなる2階は玄関から室内に入るとすぐに大開口 越しの広大な海が目に飛び込んでくる。
海側の大開口もあえて庇を付けないことで、空と海の広がる眺望を遮ることなく存分に楽しめる造りとしている。
日差しが強すぎる時は、各開口部の両端に収めた網戸を引き出すことで日射を軽減できる。
キッチンと作業台は数人で一緒に作業できるように十分な広さとゆったりとした動線を確保した。
各部屋とテラスをつなぐ開口部は段差がなくフラットにアクセ スできる。
ダイニングやソファーに腰かけてプールを見ると、木々や海と繋がる インフィニティプールとなる。
プールサイドには鳥も憩いにくるので、鳥のさえずり やさざ波の音も相まって自然との距離を近く感じる。
1階で開放的な眺望が望めないサウナ室には海が望める小さな窓を設けた。
それとは対照的にととのいスペースは大開口から水平線を眺めながら寛ぐことができる。
水風呂コーナーの五右衛門風呂は、ととのいスペース利用者によって視線 を遮られることなく水平線を楽しめるように段差を設けた高い位置に並べている。
建物の白い外壁は、投影される周辺木々の影や庇の影、左官のランダムな塗り仕上で季節や時間帯によって表情が移り変わっていく。
撮影;井田佳明